中学校三年生の冬。
「平成」が始まった日のことをあまり覚えていない。
昭和天皇崩御の自粛ムードと、平成が始まるという高揚感が入り交じって、
何とも言えない空気が充満していたことは何となく記憶の片隅にはある。
私にとっては、中学校から高校に…という人生でも大きな転換期だったわけで、
元号の変化に一喜一憂するような余裕はなかったように思う。
そして、31年後。
人生二度目の改元の時に立ち会うのだが、
今度は娘が小学一年生になる時期に重なる。
娘にとっては、あの頃の私と同じように、環境の変化に心が揺れている時に区切りを迎えることになる。
こじつけのようだが、人生の区切りと時代の区切りが何となく重なる、
こんなことは良くある。
私自身には、今のところ変革の波は見えないのだが、
きっと、振り返ると、「あああの時が令和の最初だったか」と思うときがあるかもしれない。
まぁ、そのときはきっと、もっとじいさんになってからだと思うけど。