最近、こんな言葉を耳にすることがある。
「○○さん、神だよね…」
ふと、見るとちまたには神という言葉が乱立している。
AKBの『神7』に始まり、
テレビで面白かった回のことを『神回』などと言っている。
個人的には、あんまり好きではない。
私は、無宗教論者で神様は信じないが、
そんな私でもなんだか『神』が安っぽく感じられて、
嫌なのだ。
神という言葉を被せられた方だって、
悪い気持ちはしないが、こそばゆいに違いない。
言語学者と言葉について話をしたことを思い出した。
「言葉は時代を映す鏡。大人が耳を覆いたくなるような悪い言葉も、
その時代の人々のある感情を示している」、と。
この国の人々は神を求めているのかもしれない、ということか。
ただ、崇め奉る神を求めているようにも感じられない。
身近で、尊敬できるロールモデルを『神』と称しているのだろう。
言語学者はこうも言っていた。
「悪い言葉をなくすのは、簡単だ。美しい言葉を聞かせればいい。
人は、最終的に美しいものに惹かれる動物だ」
マスメディアに携わる人間は、その努力を怠ってはいけない。