部活回想記

高校の時、バレー部の後輩に聞かれたことがある。

「先輩、何で勝たなければいけないんですか?

ボクはただ、バレーボールを楽しみたいだけなんです」

その時私がなんて答えたのか、覚えていない。

ただ、同学年の連中と「呆れた」「意味わかんねぇ」などと、

愚痴った記憶だけは残っている。

 

たしかに、私の高校はバレーボールの名門校でもなかった。

それでいて、地域では有名な名物体育教師が監督だったので、

練習は厳しかった。

先生は言っていた。

「勝負事は勝たなきゃ、ダメなんだよ」

 

私たちの学年は、何の疑問もなくその言葉を受け入れた。

しかし、後輩の一人はそこに何の論理性も感じなかったのだろう。

今、言われてみれば後輩の言葉も最ものような気がする。

 

スポーツ選手になるならまだしも、

学生スポーツで勝つことは目的であってはならないと私は思う。

 

ただ、勝利でしか得られないことがあるのも事実。

貪欲に勝利を追求し、得たものが人生にとってかけがえのない財産になることもあるだろう。

 

今、高校生に戻って、後輩に言われたら、何て答えるだろうか。

「適当な努力では、適当な喜びしか得られない。

だから、がちんこで勝利にこだわるんだ」

とかなんとか言うかもしれない。

そして、そういうことが言える先輩であったならば、

きっと、チームはもっと強かったかも知れない…かな…。

 

 

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