さよなら、AUSM。
阿部、内海、村田、杉内に頼らないチーム作り。
原監督はオフにそんな発言をした。
30年以上プロ野球を見続けているが、
シーズン前にこんな発言をした監督を見たことがない。
しかも、上記に挙げた選手はFAやメジャー挑戦でいなくなった選手ではなく、
バリバリの現役選手だ。
その背景には、彼らの急速な衰えがあるように思う。
いずれも、ホームラン30本以上、15勝以上という働きをしてきた選手達だが、
昨シーズン、この数字には遠く及ばなかった。
このままでは、いずれの選手もこのままで終わってしまう、
という危機感が原監督の中にあったのかもしれない。
彼らの中で一人でも奮起する選手が出てくれば、という期待が込められているように思う。
裏を返せば、上記の4人のうちここ数年で終わってしまう選手が
1人~2人出てくるだろうという計算もあるはずだ。
後釜は誰か?
4番候補筆頭は、やはり大田であろう。
どう考えても、彼ほどの才能ある打者を巨人でここ10年見たことがない。
球団が背番号55番を与えたのは伊達ではないのだ。
4番を打てるだけの力は十分にある。
ただ、投手の方が問題だ。
右は、菅野がいる。
小山もいい。
問題は左だ。
これは、球界全体に言えることかも知れないが、
杉内、内海を超える左腕がいない。
候補の筆頭は今村だろう。
昨年はチャンスを与えられたが、散々だった。
宮國のように期待倒れで終わってしまうのか、
分かれ目のシーズンだ。
実は巨人には才能のある若手がたくさんいる。
しかし、なかなか出てこられない。
これをマスコミは批判するが、個人的には仕方ないと思っている。
サッカーに当てはめれば分かる。
海外のビッグクラブで下部組織からの生え抜き選手が何人いるだろう。
勝利を宿命付けられている球界の盟主のレギュラーになるためには、
「他のチームにいけばレギュラー」という選手ではダメなのだ。
堂々と巨人のレギュラーを奪える選手でなければならない。
ユナイテッドのファンファールがウェルベックを放出するときに言った言葉を思い出す。
「シーズン20得点を獲ったルーニーやファンペルシーが
ユナイテッドの基準だ。ウェルベックはその基準に満たしていない」
チャンスは限られているが、ものにする選手が一人でも出てきて欲しい。