黒川博行の直木賞受賞作。
直木賞を獲った作品はだいたい読んでいるが、
全く合わないものと合うものがあり、
この作品は後者である。
まず、セリフがいい。
疫病神・イケイケやくざと主人公二宮の掛け合いが何とも言えない味を出している。
堅気のヘタレを装いながら、実はかつて組の大幹部だった
という父を持つ主人公・二宮のキャラがひょうひょうとしていて面白い。
ストーリーや周りのキャラクターが強烈なだけに生きる。
ラストが尻切れトンボのように感じたが、
シリーズものだから、今後を匂わすというところだろうか。
ああ、コイツらどうしようもないな、というスタンスで読むとちょうどいい。