「書くとは、自己肯定の他者否定だ」
と、師匠の猪又憲吾先生がよく酒の席で言っていた。
だから、多くの場合作家は他人の作品に対して手厳しい。
誰でもあることだが、どんなにヒットした作品でも、
好きな作品と嫌いな作品がある。
好きな作品ならば、内心「やられた」と嫉妬しながらも、
素直に褒めることが出来るだろう。
しかし、嫌いな作品が大ヒットしたりした場合、
何でこんなものが! と憤慨する…
うんうん。よくある。
嫌いな作品の悪口で、3日ぐらい酒が飲める(笑)
しかし、冷静になって考えると、
作家(編集者など作品に携わる職業の人も含む)は、好き嫌い以外のもう一つの視点を持たなければならないように思う。
優れているかどうか、という視点である。
大ヒットしたならば、必ず、優れているところがある。
それが一過性のものであったとしてでも…である。
だから、私はヒットした作品は極力触れるようにしている。
どんなに嫌いで反吐が出そうでも、一応、読む。
そして、毒を吐く。
一通り吐き終わったら、何でこれが流行っているのか、
どこが優れているのか考える。
具体的な例を列挙するのはやめておこう。
時々、アップされるレビューを参照頂ければと思う。