話題の「カメラを止めるな」を観ました。
舞台が元だという話を聞いたのですが、
10年ほど前、同じような舞台を観たことがあります。
友人が出演していたので、たまたま観に行った舞台でそれは、
ヒーロー物の舞台裏という展開。
映画同様、ヒーロー物の物語が前半にあって、後半、伏線を回収していく、というもの。
キャラクターや台詞も似ているので、もしかしたら、私が観た舞台は元ネタの人の舞台だったかも知れません。
今となっては、確認しようもありませんが。
前置きは長くなってしまいましたが、映画の感想です。
まず、この構成に「ホラー」という題材を入れたのが成功の要因かもしれません。
緊張感があり、後半のコメディとのギャップが鮮明に出るので、構成に生きてくるんだと思いました。
さらに、キャラクターが良かったと思います。
神経質な役者やアイドル崩れの主演、相手役の男優も大したことないのにうるさい事言う役者というのが、
リアリティありました。
ただ、演じている役者に関しては、概ね私は評価しませんでした。
演技が一本調子で、単純に発声が出来ていない。
これからの人なんでしょうが、原点では素材、といった人なんだと思います。
さらに、カメラアングルも洗練されていなくて、
それが、作品のコンセプトと相まって微妙な「素人くささ」が受けた原因かもしれません。
YouTubeを見慣れている観客にとって、未完成だが味があるというものを、
潜在的に求めているのかも知れません。
ちなみに、この構成は斬新とまでは言えません。
古くは、「泥棒貴族」や「スティング」でも行われていましたし、
最近では、内田けんじ監督がよく使う手法です。(「アフタースクール」「鍵泥棒のメソッド」など)
ただ、ヒットしたということは、先人が成し得なかった何かがあるのかもしれませんね。
それが、観客にとって斬新に映ったのかも知れません。