我が家の節分

我が家では、私と奥さんで順番に鬼を演じ、

娘と豆を投げます。

 

夫婦二人、お互い別に恨みはないのですが、

無条件に豆を投げつけることが出来るチャンスなので、

毎年、熱くなります。

 

「この野郎!」

と、豆を投げて奥さんの体に当たったとき、

アドレナリンが全開になるのはなぜでしょう。

それは、奥さんも同じらしく、

内野手の送球のようなクイックモーションで私に豆を当て続けます。

そのときの表情は、まるで獲物を仕留めた猟師のような恍惚感に包まれています。

 

ただ、あまりにもヒートアップするので、娘は置いてけぼり。

 

私は「今年こそ、醜い争いをやめよう」

と言ったのですが、奥さんは意に介さず、

「いいのよ、これが我が家の節分なんだから」

と、開き直るばかりでした。

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