吉野弘の詩の代表作に娘の名前を題した
『奈々子へ』という詩がある。
何度も読んだはずのその詩を
久々に読み返した。
疲れているせいか、涙があふれ出して
止まらなかった。
その詩集には、奈々子さん本人が、自分の名前を題した詩に対しての
コメントも寄せられていた。
その想いに触れたことも、感動に拍車をかけた要因である。
その詩の一節はこうだ。
『苦労は
今はお前にあげられない。
お前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとることにむずかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ』