「海辺のカフカ」

ひさびさに村上春樹を読んだ。

何となく、この辺から村上春樹の描きたい世界というのが固まってきたように思う。

かつて読んだ古い作品は、どこかふわっとしていたが、

迷いがなく、一つの方向にしっかり進んでいるような印象を受けた。

 

 

時を同じくして、娘がレンタルビデオ屋で「千と千尋の神隠し」を借りた。

一緒に観ていると、「海辺のカフカ」とシンクロする世界観を感じた。

 

もちろん、描き方は違う。

アニメと文学作品の違いもあるし、

対象の違いもある。

 

ただ、共通しているのは、

今、生きている世界と

全く違う世界が、

平行して存在している、

という切り口だ。

 

日本人には、こういう観念がどこかに流れているのだろうか。

奇しくも二作品とも、筋がはっきりしないところがあるにも関わらず、

大ヒットしている。

 

宮崎駿、村上春樹、二人の作家が見えている世界には、

共通した風景があるのかもしれない。

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