若い頃、友達に良くこんな事を言われた。
「お前、ほんと自分大好きだよな」
座右の銘は『自画自賛』。
ところが、年を経るごとにそんなことは言われなくなった。
己の限界をまざまざと見せつけられ、
日々、打ちひしがれていく中ですり減り、
自賛する自己を見失ってしまったのかもしれない。
敬愛する詩人・吉野弘は「奈々子」という詩の中で、
こんな言葉を残している。
ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ
自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう
この言葉に触れると、
まぁ、自画自賛も悪くないのかも。
という思いにさせられる。
自分を愛することが肯定されると、
どことなく心地よいのは、私だけでしょうか。