伊坂幸太郎の作品に「魔王」という小説がある。
かなり前に読んだものなので、内容がはっきりしないが、
たしか、少しずつ独裁者が作られていく過程が書かれていた作品だったように思う。
当時、小泉政権下で圧倒的な国民の人気を得ていたので、
印象的だった。
その作品が書かれてから、10年が経とうとしているが、
なんとなく、我々の社会はとてつもない「魔王」を作りだしてしまっているように思えてならない。
それは、日本の政治リーダーである、安部さんか、というと、
そうでもない気もする。
もっというと、個人でもない。
我々は、こうしてネットで自由に情報を発信することが出来るようになったが、
同時に大きなものを失おうとしている。
もし、自分と共鳴する意見やニュースがあったときに、
一度、その逆の価値観になり考えて欲しい。
理解できない行動を取る人間の心理に立ち、
彼らの価値観を想像して欲しい。
そうしなければ、間違いなく「魔王」はこれからも増幅するだろう。
結局「魔王」は我々自身の心に潜んでいるということを肝に銘じておかなければならない。