スウェーデンの作家・マイ・シューヴァルとペール・ヴァールー夫妻が
書いた刑事・マルティン・ベックシリーズの最終作品。
マルティン・ベックシリーズは、何作か読んでいる。
やはり、このシリーズの魅力はミステリーよりも人間ドラマであろう。
そして、元新聞記者らしい社会への厳しいまなざし。
政治への痛烈な批判。
福祉社会、理想の国と言われたスウェーデン社会で切り捨てられた
人々へのまなざしがシリーズを通して描かれている。
日本でもいわゆる警察小説というものが増え、
現在、隆盛を極めている。
おそらく、その原型とも言えるものが、
マルティン・ベックシリーズにはあるように思う。