テレビドラマにおける家族

動画スクールPAVIOSの大林です。
現役ディレクターとしてレギュラー番組を制作しながら、動画スクールの講師をしています。
 
自分で言うのもなんですが、両方同時にしている人はほとんどいないと思うので、独自の視点で様々な情報を発信していこうと思います。
 
今日は、テレビドラマにおける「家族」についてお話ししたいと思います。
本題に入る前に、思い浮かべてください。
主人公の家族背景が分からない、あるいは、家族が全く出てこないドラマをいくつ挙げることができますか?
パッと思い浮かぶものでは、「相棒」の杉下右京や「孤独のグルメ」くらいでしょうか。
 
なぜ、こんな話をしたかというと、この間映画「ラストマイル」を観て逆説的に上記のことが浮かんだからです。
映画では、主人公の舟渡エレナの家族が全く描かれていませんでした。
好き嫌いはともかく、この映画で描きたいテーマを考えると、家族背景を描かないという選択は正しいと思いました。(詳しくは映画をご覧ください)
ただ、テレビドラマでは成立しないんだろうな、とも思いました。
奇しくも、この映画の制作チームはテレビドラマから派生しています。
テレビではできない題材、描き方を追求した結果、このような形になったのでは…と推察しました。
 
テレビは、公共の電波通じて不特定多数の人に届けます。
自ずと、多くの人が共感しやすい作りにする必要があるのです。
それ故、特異な例を除いて「家族を描くのはマスト」になっているのが現状ではないでしょうか。
ちなみに、「笑うマトリョーシカ」というテレビドラマがありましたが、その原作も読みました。
ドラマでは、主人公・道上香苗には、父と母、夫と子供までいます。
しかし、原作にはその誰も出てきません。
ざっくり言うと、権力の二重構造とフィクサーを探るミステリーなので、家族は必ずしも描く必要がないのかもしれませんが、きっと原作のまま描くと主人公に感情移入できないと判断したのかもしれません。
 
テレビドラマを何となく観るのもよいのですがより深く観ると、違った楽しみができるかもしれません。
 
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長文、最後までお読みいただきありがとうございました。
 
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