動画スクールPAVIOSの講師をしている、大林です。
現役テレビディレクターとして、最近ではNHKの医療番組なども作っています。
ここでは、動画制作に関する様々な話題を取り上げていますが、
今回は、『インタビュー動画』についてお話ししています。
インタビュー動画は、採用や事例紹介、ブランディングなど様々なシーンで活用できるうえ、
制作も手間がかからないと思われています。
インタビューだけなら、社内で出来るだろう、と自社制作の第一歩で取り組み始めるケースもあります。
ただ、このインタビュー動画、実は難しいんです。
なぜ、難しいかについては、こちらの記事をご覧ください。
今日は、ケーススタディとして、
『元も子もない答えをされたときの対処法』についてお話しします。
一つ実際にあった例を挙げてお話しします。
私がローカル局で働いていたころ、
天然のわき水で淹れたコーヒーの取材に行きました。
インタビューで店主に、
『コーヒーで一番大切なのは何ですか?』
と質問するとなんと「豆です」と答えたのです。
おいおい…それを言ったらおしまいじゃないか!
内心そう思いました。
これは極端な例ですが、実は「元も子もない答え」をされてそのまま取材を終え、
編集の時、頭を抱えるケースは少なくないんです。
では、どのように対処するか。
私の場合は、元も子もない答えをされたとしても、一度、受け止めます。
「そうですよね。豆、大切ですよね」
場合によっては、興味がなくても豆について軽く質問してもいいくらいです。
ここで私が注意しているのは、こちらの聞き出したい方向に、強引に誘導しないということです。
むしろ、取材対象者にはその方向でいい、と思ってもらう。
なぜなら、動画はインタビュアーの表情をつぶさに現すからです。
これが、テキスト取材との決定的な違いです。
情報は同じでも、ノって話しているのか、言わされているのか、視聴者は感じ取ります。
だから、取材対象者には気分良く話していただく必要があるのです。
その上で、切り返しの質問をしていきます。
「いい豆があってこそですが、やっぱり水の違いっていうのも、
コーヒーの味に影響しますか?」
取材対象者は、自分が伝えたかった豆の話をひとりしきりした後なので、
その気持ちのまま、水の話もしてくれます。
切り返しの質問をするときのコツは、
できるだけ、流れに沿うことです。
「とろで…」
と安易に切り返すのは最後の手段として
とっておいてください。
ビジネスでも『シームレス』という言葉が使われることがありますが、
インタビューも『シームレス』を心がけると、心地よい空間を作り出すことが出来ます。
インタビューは、ただ、情報を聞き出す場ではありません。
情報は、最低限伝えなければならないことです。
いかに、プラスアルファの感情、思い、情熱を伝えられるか、
そのためには、雰囲気作りはとても大切です。
動画スクールPAVIOSは、インタビュー動画の取材の仕方など、
他の動画スクールではなかなか教えてくれないディレクションについて学ぶ事が出来ます。
興味のある方は、是非、お問い合わせ下さい。