普段、ほとんど観ることはないが、ワイドショーは嫌いではない。
元々、ゴシップは大好きだし、世の中が今、関心を持っていることを、
出来るだけわかりやすく伝える番組、というのは、絶対に必要であると思う。
視聴者である私たちは、どんなものが今、注目を浴びているのか、
一通り知っておくことは、悪くないと思う。
その上で、私は、作り手という視点を持っているので、
注意しなければならないことを二つ書こうと思う。
一つは、テレビの特性にも関わることだ。
テレビは、国で割り当てられた公共の電波を利用して放送する媒体である。
不特定多数の人にも分かる内容を作るために、
出来るだけわかりやすすることを心掛けている。
しかも、限られた時間の中で、である。
そうすると、10説明しなければならないところを1か2の割合で
説明せざるを得ないこともしばしばある。
それで、真実を伝えるのは、非常に難しい…
というよりも、真実になり得るわけもない。
テレビの制作者は、出来るだけ真実に近づけるように必死に努力をしているが、
どうあがいても、真実にはならない。
テレビとはそういうものだ。
そのことを、頭の片隅に置いて観るべきであるということ、これが一つだ。
そして、もう一つは…
ワイドショーで伝えるニュースだけが、ニュースではないということだ。
連日ワイドショーで取り上げているニュースの影に隠れて、
様々な問題がこの社会の中では存在している。
分かっているよ。
お前に言われなくても。
ってなことかもしれないが、それでも声を大にしていいたい。
埋もれているニュースに目を向けよ、と。
個性とは、他人と違う行動をする、ということばかりではないと思う。
他人と違う視点を持つ、ということこそ、本当の個性だと思う。
今、話題にも上っていない何かに、
きっと、目を向けるべき問題が埋もれているのではないか。
自戒を込めて、今、問い質している。