コブハサミムシの生命

寝るときに、娘に読み聞かせをするのが私の日課となっています。

昨夜、読んだ本は一頃ヒットした『ざんねんないきもの』でした。

その中で、「コブハサミムシ」の生態について書かれていました。

コブハサミムシは、見た目もグロテスクで攻撃的なように見えますが、

非常に過保護だというのです。

卵を産むと、舐めたり転がしたりして大切に大切に扱います。

放っておくと、卵がカビてしまうからだといいます。

そして、子どもが生まれると…驚くべき行動に出ます。

なんと、子どもに自分の体を食べさせて死ぬのだそうです。

 

…この文を読んだとき、しばし、呆然としてしまいました。

童話『月のうさぎ』のうさぎにも通じる、無償の愛…

ただ、コブハサミムシの行動は、人間の云う『無償の愛』に当てはめるのは、

何だか違う気がしました。

コブハサミムシにとって、その行動は『愛』という仰々しさではなく、

むしろ、『本能』という方が近いのではないかと思ったからです。

つまり、生命の根源にある、子孫を残すという強烈な使命。

その理由付けに、『愛』という言葉事態不毛な気がします。

 

結局、人間だって親が子どもを想う気持ちに、理由なんてないんですよね。

変な理由をつけるから、ちょっとおかしくなるように思います。

 

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