幼稚園のお遊戯会。
娘のクラスでは、浦島太郎の劇を行った。
そこで、我が家では一悶着あったのだ。
その劇では、浦島太郎がおじいさんになったあと、
乙姫様が浦島太郎を助けてあげるのである。
娘は乙姫役。
先生は、乙姫役の出番を増やすために、ストーリーを変えたのだという。
一応ものを書く人間としては、抵抗があった。
妻と「浦島太郎が助けられちゃダメでしょ」と、会話をしていたら、
それを幼稚園で言った娘がお友達とケンカになったらしい。
それ以来、その話は家族でしていない。
先生に悪意がないことも分かるし、
幼稚園の劇ではそんな感じなのかな、とも思うのだが、
敢えて言わせてもらうと、作品の結末を安易に変えることはやめたほうが良いと思う。
浦島太郎には、思うようにいかない人生の不条理のようなものが描かれている。
故に、古より語られているのである。
その不条理を園児に説明できないことも理解出来る。
ならば、ハッピーエンドのお話しを作るべきだと私は考える。
ただ、お話しとはそういうものなのだろうな、とも思う。
グリム童話は、元のお話しだと残酷すぎてどうしようもないので、
少しずつ変遷していったというお話しもある。
目くじらを立てる、私のような親を尻目に、
時代とともに、『浦島太郎』も変遷していくのかも知れない。
何だかさみしいけどね。