最近、盛んにあらゆる家電が繋がる、IoTについて取り上げられています。
その記事を見る度に、あることを思い出します。
私が、テレビ埼玉時代に「インターネット天国」という番組のディレクターをしていました。
その番組で、私は当時無名だった辛酸なめ子さんを抜擢し、
いろんな場所へ取材に行きました。
ネタを探してくるのは、なめ子さん。
私が取材交渉をして、台本を書くという流れでした。
ある日、なめ子さんがどこからか記事を見つけてきました。
それが、「インターネット冷蔵庫」の記事でした。
シリコングラフィックス社が開発に乗り出したという記事です。
それが、1999年か、1998年くらいだったと思います。
早速、シリコングラフィックス社に電話を掛けてみると、
実物はお見せできないのですが、取材には応じますよ、とのことでした。
そのときに、なめ子さんと一緒に聞いた話がまさに、今をときめく
IoTの原型のような話でした。
将来的にシリコングラフィックスは、冷蔵庫がIoTの中心となるのでは…
と、睨んでいました。
それは、家庭の中で絶対的に動かないものなので、
固定IPが振りやすい、ということと、
位置情報が固定化しているので、ビッグデータを蓄積する上でも、
サーバーのような役割が出来るのではないか、ということでした。
あれから、20年近く経ちましたが、なかなかそこまで行き着いていない、という印象はあります。
一つは、ITのインターフェイスがまだまだ高齢者やITが苦手な人にとっては難しい、ということ。
だから、家庭の中で気軽に使えるというレベルにはありません。
ipad,スマホは進んでも、それらと同じ機能のものが、
当たり前のように家電に搭載される時代は、
もう少し先になるかも知れません。
でも、そんなに遠い未来でもない気もします。
加えて言うと、辛酸なめ子さんがその後、あれ程有名になるとも思いませんでした。
彼女の先見の明に思いを馳せながら、未来を空想してみるのも楽しいかも知れません。