ジョブズの公式自伝「スティーブ・ジョブズ」を読む。
合わせて900頁近かったがあっという間に読めた。
久々に、面白いなぁ、と感心する本だった。
いくつかのポイントに分けて感想を述べたい。
■人物像
読んでいて最初に抱いた感想は、ジョブズのような人物とは
一緒に仕事をしたくないな、と。
実は、彼のような性格の人物はそれほど珍しくない。
特に、テレビ業界にはうよううよしている。
ただ、そのほとんどが偽物。
天才肌のまがい物なのだ。
ところが、ジョブズは本物なのだ。
ただ、凡人の私が対したら、彼をまがい物だと思っていたかも知れない。
■潜在ニーズ
顧客のニーズを追うのは間違っている。
と、ジョブズは言う。
フォードも同じようなことを言っていたらしい。
自動車が産まれる前、顧客にどんなものが欲しいか聞いたら、
「もっと速い馬が欲しい」と、言うだろう、と。
顧客の先を行かなければ、イノベーションは産まれない。
ここに、私は強い魅力を感じた。
■交差点
では、どこに潜在ニーズがあるのか。
それを探るヒントは『交差点』にある、とジョブズは言っている。
ジョブズは生涯を通じて、「アート」と「テクノロジー」の交差点で、
イノベーションを生み出してきた。
一つの世界の中では、イノベーションは産まれない。
どこかに、世界と世界がぶつかる交差点があるのだ。
我々は、実は多くの交差点を見逃しているのではないか。