世間の評価として、桑田はクレバーな人格者で、清原は荒くれ者という
イメージが定着しているようだが、
かつて、現役時代の桑田にはダーティなイメージが付きまとっていた。
借金問題、女性問題…
「人間は誰でも弱い」
清原の事件を受けて、桑田が言った一言にはそうした実感があったのかもしれない。
私は、桑田を敬愛しているが、
清原に関しては、とっくに見放していたのだと思っていた。
野球人としては尊敬するが、アイツはダメだ…と。
性格は真逆。合うはずもない。
ところが、3年前まで小姑のように連絡を入れていたというから、
そちらの方が驚いた。
おそらく、桑田は清原の事を一番知っている人物だと言っても過言ではないだろう。
だから、分かるのだ。
彼に何を言ってもダメだということは。
それでも、言った。
嫌われて、最後は「オレに干渉するな」
と言われても。
友達のために自分はそこまで出来るだろうか、
考えてしまう。
ダメだと分かっていても、言い続ける勇気があるだろうか。
口ではいろいろ言っていても、結局は友達とは他人である。
縁を切ろうと思えばいつでも切れる。
「人間は誰でも弱い」
弱さも強さも共有することが出来るのが友達というヤツか。
桑田は善、清原が悪。
という構図だけで語れない何かがあるように思う。
そして、私がここまでこのニュースに心動かされるのは、
6歳上の身近なヒーローに対する、
寂寥の思いからなのかもしれない。