家族で丸亀製麺に行った。
すると、奥の席で一人の客が、おもむろに白いYシャツを脱いでいる。
客は中年の男性で、年の頃は50をとうに過ぎているようだった。
曇りきった大きな銀縁メガネを直しながら、
おもむろに手にしたのは、紙ナプキン。
そのとき、初めて男が何をしようとしているのか、分かった。
そう…カレーうどんを食べようとしているのだ。
なんたる気合い。
Yシャツを脱いだ男の格好は、テロテロの半袖Tシャツ一枚。
暖房が効いているとはいえ、店内は寒い。
それでも、男はひるむことなく半袖一枚に紙ナプキンで、
カレーうどんに挑んだ。
食べること、ものの5分で完食。
いつの間にか、男は店内から消えていた。
風のように現れ、そして、去って行ったのだ。