今、仕事が落ち着いているので、比較的読書の時間がとれる。
結構読んでいるのだが、いわゆる「当たり!」という本に巡り会えない。
そんな中、山本文緒の「プラナリア」は面白かった。
「働かない人間達」を描いた短編集だが、
非常に今日的で共感できる。
また、文体も面白い。
乳がんを発症し、自暴自棄になった主人公が
無為な検査にいらだつ心情をこんな文体で表現している。
『血いすうたろか、と頭の中で悪態をついて、でも頭を下げて診察室を出る』
流麗ではないが、心情に寄り添ったユーモラスな表現は好きだ。
こういう本に出会えるのは、
10冊に1冊くらいかな。。