2030年かなたの家族

9月末に放送されたNHKのドラマを最近、ようやく観た。

ドキュメンタリー「家族のカタチ」と連動した企画らしいので、

そこでのリサーチが生かされているのだろう、描写がリアルだった。

 

特に、お金のある老人達が、ハイテクが行き届いた自立的な街に住むところや、

空き小学校に、社会的弱者が集まるところ、など…

今の世の中をしっかりつかんだ上で、その未来形を的確に描写しているように感じた。

 

ただ、ドキュメンタリーではなく、ドラマにしたときは、

ドラマならではの作りにしなければならない。

それは、容易なことではない。

ともすれば、こんなことがありました、こんな社会になります、で終わってしまう。

 

誰かと関わっていかなければ生きていけない、という人間の根源的な叫びが、

ドラマの中で効いている。

 

これを書ける作家は、日本でもそれほどいない。

だいたい、こういうものを観た後、クレジットを確認すると、

「ああ、そうか」と、ため息をついて終わる。

『井上由美子』

まぁ、そうだよね。

 

ドキドキハラハラさせたり、クスッと笑わせたり、

ということが出来る作家はたくさんいるけど、

難しいテーマにもしっかりと人間ドラマを安定的に作れる作家はそれほどいない。

 

日本に、10人いるだろうか。

 

人材はいるようで、いない。

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