南アフリカ戦。
最後まで試合を観る気はありませんでした。
私が観たいのは、勝敗ではなくどういう戦いをするか、
ということでしたから。
10点差以内ならば、大健闘。
そしたら、寝られないかな。。くらいに思っていました。
誰が予想したでしょう?
日本が勝つなんて。。
私は、24年前のW杯から、ほとんど全ての試合を観てきました。
当初は本当にひどい負け方でした。
善戦するのは、最初だけ。次第に体力が奪われて最後はバックスに
走られ完敗。
何度観てきたでしょう、そういう試合。
最後はバックスにやられる。
南アには、世界屈指のランナーブライアン・ハバナがいるわけですから。
そう思っていました。
ところが、ハバナはほとんどボールを持つことはなかった。
南アが挙げたトライは、全てフォワードによるもの。
どうして、そんなことになったのか。
私が試合を観て驚いたのは、
実は、日本のすごさではなく、
南アの出来の悪さでした。
日本代表の試合は、何度も観てきているので、
今の日本ならば、セットプレーでも世界強豪国と対することは
できると思っていましたし、サインプレーでバックスのトライも
一つくらいは奪えるかもしれない、と期待していました。
ただ、あれほどペナルティを侵す、スプリングボックスの姿は、
全く予想していませんでした。
全盛期の南アは、憎たらしいほど強かったです。
ヨーロッパの大国を次々手玉に取り、オーストラリアに対しても、
真っ向勝負で勝利していました。
それが、なぜ?
今回の勝利は、幕下が横綱に勝つようなものです。
たしかに、そうなのですが、横綱の調子がすこぶる悪かったということも、
考慮しなければなりません。
つまり、南アに勝ったからといって、
スコットランド、サモア、アメリカに勝つなどという保証は、
どこにもありません。
選手や監督がそのことを理解していれば、
日本は全勝で予選リーグを突破することだって出来るでしょう。
浮かれるなというのが無理です。
横綱に勝って喜ばない幕下が、いるでしょうか。
あくまで、幕下だと自認しながら、
挑んでいく姿勢を保ちながら、挑んでいくことが出来るか、
それが、焦点だと思います。
それにしても、本当にうれしかった。
彼らを本当に誇りに思います。
生きている間に、強豪国に勝つ日本を観られるなんて、
思いませんでした。
だからこそ、これを、一瞬輝いた奇跡にしてほしくないのです。
かつて、山口良治さんは言っていました。
『継続は力なり』と。