本田宗一郎から、その名をいただいた25歳の青年がいる。
彼は、技術者にはならなかったが、
野球選手になった。
立岡宗一郎である。
彼が今、巨人のレギュラー取りに挑戦している。
本田宗一郎は自動車業界の常識を覆してきたが、
こちらの宗一郎も負けていない。
ソフトバンクから巨人へ移籍後、すぐに肘を怪我したため、
右打ちから左打ちに変更。
プロ野球ではあまり聞いたことがない。
が、ぶっ倒れるまで振り込んで、右打ちよりも良い成績を挙げたというのだから、すごい。
真っ黒に日焼けした野生児の風貌通り、
彼の特長はとにかくつかみ所がないところ。
足がものすごく速く、詰まった当たりはすべて内野安打にできるが、
盗塁がへたくそ。
内野外野両方守れて、肩もものすごく強いのだが、
守備が下手。
突っ込みどころ満載だが、私はそこが気に入っている。
エリートですべてそつなくやるヤツは、
安心できるが、魅力に欠ける。
だから、願う。
宗一郎、このまま疾走してくれ。
そうすれば、彼だって時代を作れる可能性はあるのだ。