最近、中国人ディレクターと知り合う機会があり、
食事をしていたところ話題に上ったのが、
浅田次郎の書いた「蒼穹の昴」。
反日感情の強い中国で、
中国人作家の書いたもの以上に評価され、
大ベストセラーとなり、
ドラマ化されて大ヒット。
という異色の小説。
私はその存在は知っていたのでしたが、
食わず嫌いをしていました。
そんな訳で、一巻を読んでみました。
読んでみて、なるほどこれはおもしろい、と感じました。
舞台は、中国・清の後期。
まず、主人公が貧しい農村でクソ拾いをしている、少年。
これ一つとってみても、引きつけられます。
この少年が、占い師からお告げを受けます。
「お前は天の財宝全てを手に入れる…」と。
その占い師のお告げは今まで間違ったことがない、
信憑性の高いものだということが、
物語が進むと分かってきます。
しかし、クソ拾いの少年が身を立てるなど、
夢のまた夢。
たった一つ望み残されている道は、
宦官になる道だった。
というのがストーリー。
ようするに、宦官が主人公なのです。
ベルばらのように、実在の人物と架空の人物を
絶妙に織りなしているところも面白いです。
でも、まぁ…よく調べたものだと、
それだけでも感心してしました。