下北沢成徳高校 女子バレーボール部といえば、
名門中の名門。
大山加奈や木村沙織といった、全日本の選手を何人も輩出している。
今年も、順調に都大会を制して、
春高の舞台に駒を進めた。
二年前、下北沢成徳高校は全国大会で優勝した。
その時のチームを追ったドキュメンタリーを観たことがある。
その時に監督の怒り方が印象的だった。
「何で、お前はチームメートに言わない!
もっと、出来るだろうって。必死になれって!
ドンマイドンマイ! だったら誰でも言えるよ!
そういう甘えがプレーに出ているんだ」
怒ったのは、チームの大黒柱であるエース。
彼女は、別にミスを犯したわけではない。
チームメイトがミスをして「ドンマイ!」と慰めたのだ。
普通の行為である。
しかし、監督には気にくわない。
エースがチームメイトに叱咤激励できるくらいにならないと、
このチームは伸びないと思ったのだろう。
もっと言うと、エースは心根の優しい普通の女の子。
普段はそれでいいが、勝負事ではもっと強さと激しさがないと、勝てない。
監督はそこまで見ていたのだと思う。
それから、彼女は、チームメイトに厳しく言うようになった。
そうすることで自分にもプレッシャーがかかってきたのだ。
大きく成長したチームは、全国大会で優勝するまでなったという。
自分に厳しく…というのにも、いろいろ種類があるんだなぁ、
と、感心させられた。