10年前、唯川恵が直木賞を獲ったとき、正直ビックリした。
マジか!?
と思った。
実際、その作品を10年後読んでみると、
やっぱり、マジか?
と、思う。
相変わらずな唯川節なのはいい。
実際、選考委員も「これ、軽すぎない?」
という声もあったようだが、
軽くても別に構わないと個人的には思う。
しかし、問題なのは「簡単すぎる」ということだ。
言葉を代えるならば安易なのだ。
「セックス&シティ」と、W浅野の「抱きしめたい」
そして、山口智子主演の「29才のクリスマス」を足して3で割ったような
ストーリーも安易に感じてしまう。
ラストの作り方はまるっきり「29才のクリスマス」だ。
これで、いいのかなぁ、とも考えてしまう。
たしかに、解説の江國香織が書くように、
ある種の教訓めいたことがさらっと説教臭くなく書かれているという点では、
優れているのかも知れないが…
新人作家がこれを書いたら、絶対に叱られるだろう、と思うのは私だけであろうか?