例えば、安いドラマのセリフにこんなセリフがある。
「私と仕事、どっちとるの?」
それが、仕事でなくてもいい。
私の場合は、脚本であったりとか、小説だったりするかもしれないし、
ある人にとっては、音楽や、スポーツかもしれない。
要するに、なりたい人が多くて、長く努力を続けなければならないもの、
世間的にはそういうものを夢というのかもしれないが、
個人的にはその言葉は好きではない。
たしかに、時間軸、経済軸でみれば、
どちらかを選択しなければならない状況というのはあるだろう。
生活のために時間をとらざるをえない。
ただ、長い時間の中で、気持ちの中で、
どちらかを選択する必要があるのだろうか、という疑問はある。
ウチの奥さんが言っていた。
「そういう問いをして、あなた、と答えられたら、その人は人生を背負えるのかしらね」
たしかに…
そんなのまっぴらごめん、と思うのは、私を間近で見ているからだろうか。
私個人としては、現実との折り合いをつけて目標を継続することが
一番大切だと思う。
時間軸と経済軸をしっかり管理して、
細いけど切れない意志を継続させることで、
共に○○を追う人生が歩めるのだと思う。
辻村深月が直木賞を獲った作品、
短編集「鍵のない夢を見る」の「芹葉(せりば)大学の夢と殺人」にそんなことが書いてあったかも。