イチローは、若い頃から打率ではなく、
安打数に重きを置いて目標設定していた。
私の記憶がたしかならば、イチローが登場するまで
安打数などほとんど注目されることなどなかった。
シーズン最多安打数というタイトルもここ最近出来たのではないだろうか。
目標設定の仕方によって、意識の持ち方が全然違ってくる、
そんなエピソードである。
ふと、自分に置き換えてみる。
私もいろいろな目標を設定しているが、
その中でも、読書についての目標設定を最近変えてみた。
もともとは、冊数を目標にしていたのだが、
どうもしっくりこない。
というのも、本1冊と一括りにしてしまうと、
あまりにも差が出てしまう。
ページ数も違えば、読みやすさも全然違う。
流行り物の現代書ならば、すらすら読めるが、
古典の翻訳物などは、どうしても読むスピードが遅くなる。
目標を立てると、それを達成しようと考えるのが常である。
だから、自然と読みやすい本を買ってしまったり、
月末に帳尻を合わせたりしている自分に気づいたのである。
これでは、目標のための目標ではないか。
そう考えた私は、目標設定を冊数ではなく、時間にした。
つまり、読書時間である。
こうすると、なんとなく意識が変わってくる。
無理矢理、冊数を稼ぐという不毛なこともしなくなる。
目標の立て方一つで、見えてくる風景も変わってくるものである。