若い頃、お金のために仕事をするということが、
なんだか、汚いことのように感じていた。
小説やドラマをみても、欲深い金持ちはろくなことになっていない。
たしかに、お金が全てという価値観は、判断を見誤らせる。
世の中のほとんどのものはお金で買えるが、
買える買えないではなく、買ってはいけないものが存在するからだ。
それを制御するのが倫理というやつだ。
この考え方は今でも変わらないが、
度が過ぎると、「お金のために仕事をしてはいけない」という
ことになってしまう。
夏目漱石も言っていた。
「すべての神聖なる労働はパンから離れる」
いや、そうかもしれないけど、人はパンを食わないと生きていけない。
世の中には若者の神聖なる労働を利用して、
生きている悪い大人達もしこたまいる。
資本主義経済のこの国で生きていくためには、
お金に対してこんな弱腰でいると、
ずるい奴に搾取されるばかりだということを、
数年前にようやく気づいた。
とある人に言われたこの言葉が気づくきっかけになった。
その言葉は、
「お金に遠慮するな」である。